Interview 03 比田井和孝さん
2017/08/20
比田井和孝先生に会いにウエジョビ(上田情報ビジネス専門学校)さんまでやってきました。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
僕は、比田井先生とは長くおつきあいをさせていただいてますね。もう約10年ですか?
それ以来ずっと、ウエジョビさんに来て、学校の様子を見せていただくたびに、普通ではないと言いますか、普通の専門学校のイメージを覆していらっしゃると、具体的には、資格や就職もそうですが、それ以上に『人間性を磨くこと』に重点を置いた、学校を作られていると思うんですが、まずは、そういう専門学校づくりを目指そうと思われたきっかけについてお聞かせ願えますか?
いやぁ、ありがとうございます。
そうですね。もともと専門学校と言えば、『資格と就職』ですから、以前はとにかく、来た学生たちに資格を取らせて就職させる、公務員になりたい学生に公務員試験に合格させるということを目的にやってきたんです。
その頃は、学生の募集も、広報テクニックのようなものを駆使して、オープンキャンパスを変えたり、パンフレットを工夫したりして、学生集めをしていたんですね。結果として、どんどん学生の数が増えていたんです。いわゆる調子がいい時期だったと言えます。
そのころ、平成15年頃だったと思うんですが、「このままでいいのか、ウエジョビは?」
と、ふと思っちゃったんですよ。
今、確かにウエジョビは調子いいけど、広報テクニックを駆使して学生を集めたところで、10年後、20年後、それこそ50年後とか、100年後、ウエジョビは残っているのか…と考えたんですね。
まあ、募集テクニックというのは、『やり方』ですから、他の学校だって同じことを真似すれば、できるわけですよ。で、それに頼って学生を集めている時点で、このままじゃダメじゃないかって思うようになりました。
そうなって初めて『本質』を考えるようになった訳です。
「本質」ですか?
「そもそも、なぜ学生はウエジョビに来てくれるんだ?」
「数ある専門学校から、どうしてウエジョビを選んでくれるのか」
…と、そんなことを考え始めたわけです。
まあ、表面的には、「資格を取って就職したいから」「公務員になりたいから」ですよ。でも『本質』はそうじゃないだろうと思ったわけです。
本質は、
「将来幸せな人生を歩みたいから僕はこの資格が欲しいんだ」とか、「幸せになりたいから公務員になりたいんだ」
と、そういうことじゃないですか。
じゃあ「資格を取って、就職して、公務員にさえなれたら、本当に幸せな人生が待っているんだろうか?」…と真剣に考えたときに、それは違うなと気づいたんです。
以前、私の教え子で、第一希望の公務員になったのに、職場で陰では
「あいさつひとつできない○○君」って呼ばれているっていう話が耳に入ってきたことがあったんです。あの時は本当にショックでしたね。
せっかく第一希望の公務員になれたのに、そんな風に陰で言われている人が『幸せ』だなんて言えるわけがないですよね。だから、大切なのは「資格を持っているかどうか」「試験に受かるかどうか」ではなく、「そこでいい仕事ができるかどうか」だって思ったんです。
どんなに難しい資格を持っていても、どんな公務員試験に合格できても、その先でいい仕事ができなかったら幸せになんてなれない。
じゃあ、『いい仕事』を可能にするのは何かって考えた時に、資格や知識も大事だけれども、やはり『人間性』だというところに行き着いたんですね。それなら、学生たちの本当の幸せを考えたら、人間性を磨かなきゃダメだって思ったんです。
だから、「資格、就職、公務員」だけじゃなく、「人間性」も磨く学校にしていきましょうということになった。そこが始まりでしたね。
そこから今のウエジョビに向けて動き始めた訳ですね。
そうです。その年の職員聡会で
「ウエジョビはこれから人間性も磨く学校になります」
と宣言をしたんです。
で、これを言ったところでね、反対する人は誰もいないですよ。当然ですよ。
「人間性大事ですよね」と言って「大事じゃない」という人はいないんですよ。
今でこそウエジョビには三つの約束『あいさつ、掃除、素直』というわかりやすい背骨となるべき目標がありますけど、その当時はまだできていないので、
とにかく
「人間性も磨きましょう」
と言っただけなんです。
結果、どうなったんですか?
結果、その年は何も変わらないです。
学校としては何一つ変わらなかったんです(笑)。
…何も変わらなかったけど、今思えば、一つ変わったものがあるんですね、それは、
「ウエジョビの心」
です。
心が変わったんです。
そして、ウエジョビの心が変わったからこそ、『出会い』が変わったんですね。
出会いですか?
そうです。学校としては表面的には何も変わらなかったんですが、私の中で、「人間性を磨くためにはどうしたらいいのか」を常に考えるようになったんですね。結果として私が出会う人が変わったんですよ。
まずは、のちに私の人生の師匠となる佐藤芳直さん(現:S・Yワークス代表:経営コンサルタント)と出会ったことが一番大きな出来事でした。