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Interview 09 後藤めぐみさん

2018/04/29

今日は東京の奥多摩でカヤックスクール「Gravity」を経営されている、僕のカヤックの師匠、後藤めぐみさんにお話を聞かせていただきます。よろしくお願いします!

 

こちらこそよろしくお願いします。

 

後藤さんは、もうカヤックと出会って長いと思うんですが、最初はどういうきっかけで始めようと思ったんですか?

 

人と違うことをやりたい!という感覚ですかね。
周りに誰もやっていないカヤックはどうだ…みたいな感じで選んだ部分がありますね。(笑)
だから、初心者体験に参加して、ボートも道具も全部貸してもらって…。

ここに来ているお客さんも、人と違ったことをやりたいから始めたという人が多いと思いますね。ちょっと変わったと言いますか、風変わりな趣味をもってる人が多いので。居合いやってたりとか、靴作りとかやってたりとか。仕事じゃなく…趣味で靴を。あとは、オウム飼ってます!みたいな人とか(笑)
そういうちょっと風変わりな人が多いかもしれないですね。(笑)

 

ちょっと変わっている人が集まる場所なんですかね?僕も含め(笑)

 

それはあると思いますね。(笑)

 

身一つでいけば乗れるっていう初心者体験に参加していって、続けていくうちにハマったって感じなんですね。

 

すぐじゃないんですけどね。
 始めたのは、二十歳とか二十一の頃で、その頃ってまだ社会人になって一年目、二年目だったので、経済的にも余裕がなくて。本当に1シーズンに一回二回くらいしか行ってなかったんですよ。でも4年目…二十四になって、「ゴールデンウィーク暇だな~」みたいな感じで、「またカヤックやってみようかな」って思って。そこで通ったスクールが、川下りもしっかりやっているところだったので、それがすごい楽しくて、ハマったっていう感じですね。

 

なるほど。人とは違ったことをやってみたいと思ってカヤックを始める人が多いということですが、そうやって「ちょっとカヤックやってみようかな」と興味を持って体験しに「Gravity」に来た人に教えるとき、どんなことに注意されていますか?

 

そうですね、よく観察して、どんなことを考えているかっていうのを、イメージしているということですかね。

 

「どんなことを…」というのは?

 

「楽しんでいるか」とか…
まずはそこを注意していますね。

それと教え方に関しては、色々な方法があるんですけれど、
レッスンの中で、上手に失敗してもらえるように意識していますね。失敗することによって、どんなテクニックが必要なのかとか、そういうのが見えてきますからね。

例えば、ダラダラ流されちゃったりとかすると、「あ、危ないな!」と自分でも感じられますよね。そういう経験をして初めて「しっかり止まれるようにならなきゃダメだ」って自分で思えるようになるんですよね。
いくらこっちが「しっかり止まれるようにならなきゃ危ないですから」って言ってもわかってもらえないこともありますから。私の方から先回りして、これが必要です、これも必要ですって教えていくのもアリなんですけど、必要性を実感できないというか…だから、あえてボートの止め方とかを言わず、これは必要だよねっていうのをちょっと分かってもらう…そういうことを安全な場所でやったりとかします。必要性が感じられれば練習する目的もはっきりするので、身につきやすいですよね。

 

確かに、上手に失敗をさせるというのは、何かを教える立場の人にとって必要なスキルだと思うんですが、失敗の程度というのがすごく難しいじゃないですか。激しい失敗をしすぎると、もう心が折れちゃったりとか…
その辺の匙加減みたいなのは、どうされているんですか?

 

慎重な人っていうのは、失敗しちゃうと、そこでダメージが大きすぎてやめちゃうってこともあるんですよね。なので、そういう人には割と先回りして、これが必要、これが必要っていう感じでやっていきます。他にも、理屈がわかればできるタイプ、実際に失敗しないと身をもって分からないタイプと…色々な人がいるので、その辺はひとり一人をよく観察をして最適な方法を考えながらっていう感じですね。

 

僕が、いつも後藤さんと漕いでいる時に印象的なことが2つあるんですね。
一つは、基本事項の確認を毎回のレッスンでしっかりされているということ。何度レッスンを受けた人でも、初めての人に教えるように、丁寧に繰り返し伝えて、反復してもらっていますよね。その部分をとても大切にしているように感じるんですね。あれ、ものを教える姿勢として、とても勉強になるんですが。

 

そうですね~
今では当たり前のように、前半に基本的なことをしっかりっていう教え方に固まってきているんですけど、教えるようになってから、もう25年くらい経つんですが、最初のうちはそういうのは、あんまりやっていなかったんですね。

でも、朝の最初の時点で、おさらいをすると言いますか、基本を確認していくことで、その日一日、身体の動きが違うんですよね。ベースの部分って忘れちゃうっていうか、抜けちゃうんですよね、どうしても。やらずに始めちゃうと、真ん中に乗れなくて、グラグラしちゃったり、あとは体をひねる動きができていないと、ロール(ひっくり返った状態からパドルを使って起き上がること)も上がらないんですよね。

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