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学びとは何か――〈探究人〉になるために

2018/09/13

書名:「学びとは何か――〈探究人〉になるために」

著者: 今井 むつみ

出版社:岩波新書

 

<おすすめポイント>

教える立場であれ、教わる立場であれ、「学ぶ」とは何なのか?と考えたことがあるのではないでしょうか。

著者は、知識の塊から切り落とされた「知識の断片」を教わることは、「学び」ではない。それでは、生きた知識にならない。と述べています。自分で発見し、主体的に解釈し、知識のシステムを自分の中で構築していくことにより、「生きた知識」になる。

熟達者を何千回、何万回観察しても、実際に自分で解釈し、体を動かして習得しなければ、熟達者と同じ脳の働きにはならないそうです。
つまり、実践すること(行動)でしか、教わった知識を生きたものに変えられないということ。

「いかに、練習するか」
実践力の重要性を再確認した本です。

 

後半は、熟達者、超一流になるにはどうしたらいいのか?という話も登場します。騎士の羽生善治さんや野球選手のイチロー選手を例に分かりやすく述べられています。
「自分が最も大事だと思うことを長期にわたって、やり抜く訓練を小さい頃から習慣づけて継続していくこと」が大切だそうです。
子供であれば、その訓練ができるのは、「勉強」や「習い事」なのではないでしょうか。

また、「一流のパフォーマンスを支える「審美眼」を一流の人は持っている。」という言葉も出てきます。喜多川のパフォーマンスを支えているのは、正にその「審美眼」だと、本書を読んで感じました。質の良い仕事をするには、細部まで意識高く見渡せる「審美眼」が必要です。その「審美眼」は、やはり実践することで培われるもの。

前半は、やや難しい箇所が多いですので、読みやすい後半から、私は読み始めました。
教育に携わる人、そして、何かを身につけたいと思っている人におすすめの一冊。

「学び」とは何なのかを改めて発見できる本です。

江藤

著書について:今井 むつみ

1989年慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学。1994年ノースウェスタン大学心理学部Ph.D.取得。現在、慶應義塾大学環境情報学部教授。専攻は認知科学、言語心理学、発達心理学。