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One World

2014/10/22

 

【発行日】2014/10/22

【出版社】サンマーク出版

 

【内容】

少年野球、サービスマン、卒業式、バレンタイン、超能力、就活、日本、出稼ぎ、恋愛……。
異なるテーマの9つのストーリーに登場するのは、生きていれば誰もが直面するような悩みや悲しみ、迷いや不安といった、さまざまな思いを抱いている主人公たち。
彼らは、人との出会いを通して生きるヒントを学び、新たな自分へと成長を遂げていきます。各ストーリーに登場する人物が少しずつ重なり合いながら循環していく物語は、まさに私たちがいま生きているこの世界そのもの。生きる力が湧いてくる作品です!

 

 

 

Officeはげっち淨德和正さんによる推薦文】

「鬼平犯科帳」「必殺仕掛人」などの名作を書かれてた
作家の池波正太郎さんがタクシーに乗るとやっていたことがある。
運転手さんへの支払いのときに必ずお釣りの100円、200円を
チップとして渡していた。それは池波さんなりの考えがあってのことだ。
チップをもらった運転手さんは気分が良くなる。
すると次に乗せたお客に対して、態度や運転マナーが良くなる。
乗ったお客は「いいタクシーに乗ったな」と喜んでもらえて気分が良くなる。
今から30,40年前のことだから、電車の初乗りで10円の時代だ。
今の価値にしたら決して小さくはないんだ。
池波さんは自らの手で幸せの連鎖を起こしていたんだ。

僕たちのこの世界は人と人でつながっているんだ。
あなたの頑張ってる姿を見て、勇気づけられる人がいる。
あなたが笑っていることで、喜んでくれる人もいる。
あなたはまだそのことに気づいていない。
あなたの知らないところで、その連鎖は続いているんだ。
その目には見えない連鎖の大きさを「OneWorld」が教えてくれる。

〈本文より〉
「ただね、俺は奇跡はいつだって起きていると思っているんだ」
裕樹が話を続けた。
「考えられない偶然の出会いは、今この瞬間だって起きている。
そのときに相手にあげられる何かを持っている人でありたいとは
いつも思ってるんだ。だからほら、こうやっていつも
いろんな本を読んでる」
裕樹は紙袋に入れられた本を重そうに持ち上げた。
「一冊読めば世界が広がる。奇跡的に出会った人に
あげられる何かが増える。そんな素晴らしい宝が、
こんなに少ない値段で手に入るものってないからね。
本は安すぎるよ」

「OneWorld」より 179ページ