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Interview 05 中野敏治さん

2017/10/20

 

人って意外とやわで、何かあるとどこかにそれが現れると思いますからね。それを、どういう見方で見てあげるかによってその次の行動が変わってくるのかなって思いますね。

 

−− 若い先生にとってはすごくいい指標になるような言葉ですね。

最後に、先ほど著作の話をしましたけれども、本を書かれたり、『やまびこ会』の活動ですとか…あれは中野先生が主催をされているんですか?

 

そうですね、もともとは山田暁生先生という方がやられていた会なんです。山田先生がお亡くなりになるちょっと前に、「中野やってくれないか」とおっしゃって、私が代表という形でやっていますね。

 

そうなんですね。あとは通信の『かけはし』、教師向けの『あしがら教師塾』、さらには一般の方対象の大人の修学旅行『あしがら学び塾』と、学校だけではなく、外とのつながりですとか、そういう学びの場所を提供されていますが、こういった活動をやっていこうと思われるようになったのはどうしてなんですか?

 

『あしがら学び塾』は、数年前に作家の神渡良平さんが埼玉県の武蔵嵐山で『志帥塾』というのをやられたんですね。今でもやられているんですけど、一泊二日で。それに何年か参加してみて、宿泊の学び塾をやりたいと思ったんです。

それは人と人とのつながりが、一日目にあったときと、次の日の朝食の時ではまったくみんな違うんですよね。実際に私も、そこで人と人とのつながりを私もたくさん得てきたので、そういうつながりの場をつくりたい。で、そこで、集まって泊まるだけじゃなくて、著名な方々を呼んでお話を聞いて、そういう方々の話題で更に、話を深めてお互いを高めたい。

 

もともと、そういう一泊二日の勉強会には若い頃から中野先生は足繁く通われていたんですか?

 

若い頃は部活ばっかりでした。

部活ばっかりでうちの女房に、「この子あんたの子よ」っていわれる程でしたね(笑)。子育てをしないで部活ばっかりをやってました。

ちょっと改心をして、夜8時までは子どもと遊ぶからってしたんですけど。それまでは土日もなく部活をやってましたから。

いつ頃だろうな。私が変わりだしたのは、…やっぱり、山田先生のやまびこ会と関わるようになってからですかね。

学校の教科指導だけではなくていろんな学びの場があるってことを知りましたね。それが一つと、もう一つは、その『やまびこ会』で、私が『涙の呼名』という卒業式でのエピソードを紹介したら、群馬の新井国彦先生がそれを読んで共感してくださり、イエローハットの鍵山秀三郎さんに送ってくださったんです。

それから「涙の呼名」は全国に広がり、どなたかがyoutubeにアップしてくださいました。

鍵山秀三郎さんとは、私はその当時、面識はなかったんですけれども、鍵山さんが、そのレポートを全国のたくさんの方宛てにファックスを送ってくださったんです。それがご縁で鍵山さんと知り合って、鍵山さんがされている掃除に参加するようになりました。そうすると、今度は『掃除』でこういう世界があるんだと思って、これもまったく教員と関係ないつながりで、もちろん掃除をやっている教員たちとも繋がって…そうやってご縁で視野が広がっていきましたね。

一つの山田先生とのつながりが、新井先生とのご縁を生み、イエローハットの鍵山さんとも繋がって、お掃除をやっている方々とも出会って、本当にその、たった一人の山田先生との出会いがいろんな方との出会いを生んでくれましたね。

で、そのエピソードが広がっていって、結果として小学館から執筆を頼まれまして…いまだにその小学館の方とも付き合いがあるし。

だから人生ってたった一つの出会いで大きく変わるんですね。

もしあのとき山田先生とで会わなければ、その、『あしがら学び塾』とか、『あしがら教師塾』とか、執筆とかそういうのとは縁がない、違う人生を歩んでいたかも知れないですね。

非常に、人生というのは不思議というか、面白いというか、振り返って気がつくんですよね。その時々は気付かないのに、あとになって、ああ、こうやって繋がって今ここに私がいるのか…ということに。それが面白いですよね。

でも、そのきっかけは誰にでもあると思うんですよね。私の場合は、山田先生との出会いは、私が勤務した学校に講演に来てくださったのがきっかけだったんですよ。

そのお話に感動して、山田先生に「やまびこ会に入りたいんですけど」って手紙を出して、そこから動き出したんですね。でも、そのときに話だけ聞いて感動して終わっていたら、たぶんつながりなんてなかったと思うんです。

でも、講演に来た話に感動するってことは、誰にでもあるチャンスですからね。

 

行動されたんですね。

 

そこからですね。その先にはの不思議なつながりを感じますね。

喜多川さんと出会うとかというのも夢ですからね。

 

−− そんなふうに言っていただけるのは、大変嬉しいことです。

いやぁ、本当に貴重なお時間をいただき、素晴らしいお話をたくさん聞かせていただきました。きっと読む方にいろんなヒントがある内容じゃないかと思います。

ありがとうございました。

今年も『あしがら学び塾』で僕も登壇させていただくことになっています。よろしくお願い致します。

 

 

 

 

<プロフィール>

中野敏治(なかのとしはる)

公立中学校 校長

やまびこ会(全国教育交流会) 代表

やまびこ会ペンクラブ(YPC) 事務局 *YPC:教育現場からの発言集

あしがら学び塾 主宰

あしがら教師塾 代表

NHKラジオ深夜便 出演

全国各地での講演活動

 

<著作>

「学校で生まれたココロの懸け橋」 ごま書房新社

「チームで取り組む中学生生徒指導入門」 小学館

「若い教師のための中学校の通知表記入文例」 小学館

「THE 生徒指導」 明治図書

                等

「あしがら学び塾」毎年、秋に開催。

 

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