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Interview 07 白水 剛さん

2018/01/29

 

なるほどね。そういうことを教えてくれる場所は少ないかもしれませんが、本当に大切ですよね。その習慣が、その子の人生にとっては大きな財産になりますもんね。ちょっと話が変わりますが、「Any child can do」というキャッチフレーズを掲げられていますけど、そういうどんな子にも何だって出来るって考え方を持つためには、教える側と言いますか、先生達の覚悟が絶対的に必要だと思うんですよね。

 

先生達には『素直』さを大事にしてほしいと思っています。
素直の定義というのは、

・はいっと返事をして、さっと動くということ。
・相手の長所を探して認めてあげること。
・自分の非を認めること。

この三つが僕の中では素直の定義なんですよ
そういう先生って間違いなく、スピードの差はありますけど、成長していくんですよね。
成長しないで3年未満で辞めていく先生っていうのは、何かが邪魔してこれができないんですよ。先生が自分にも他人にも素直な人になれなくて、ただ子供に「Any child can do」だけじゃ、何もできるようにならないです。それはもうこの10年間で分かりました。

 

保護者についてはどうですか?園と関わる3年間で、「こういう母親に育っていって欲しい」というようなことを伝える取り組みをされているんですか?

母親像とまではいきませんけれども、指針のようなハンドブックも独自に作成しました。それと自問自答をしていただきたいんですね。
何かトラブルが起こった時に、相手のせい、幼稚園の管理不足、もちろんそれもあるかもしれませんけれども、そこで自分の子育てがどうだったか?ということを振り返る機会にしてくださいねっていうところからの色々な話をしています。

 

今日も廊下でお話しされている人に、先生の方からピシャリと注意されていましたよね(笑)(この日は、授業参観日で廊下で見学されているお母様がたくさんいらっしゃいました)

 

昔は怖くて言えなかったですよ~(笑)
でも、保育の邪魔になりますからね。ただそれだけですよ。
判断基準は、「この子達にとってこれがいい環境か」だけです。自分のプライドとか、嫌われたらどうしようとか関係なく、「どげん思われたっていい」って。
それよりも話している保護者を「うるさいなこの人達」って思っている、マナーを守ってもらっている人達のためにも僕は言っているんです。

 

そうですよね。だから、「あぁ、言うんだ~!!」と思いながら嬉しくなって見ていたんです。僕も言う方なんですが、娘の授業参観に数多く行ってますが、それをいう先生を見たことがなかったので。

 

園として「私語しないでください」って指示して張り紙している以上、守るのは誰?っていう話はよくしますね。トップが覚悟を決め、指示を出す、それを遂行するのが担任。組織ってここができるかどうかです。しつこく何度でも言い続けています。担任が注意して聞いてもらえない時に初めて上の人が出て行けばいいだけの話です。
厳しいですかねー?(笑)でも、チームを形成していく上でとっても大切なことなんです。結局は先生達の一体感につながっていくものなのです

 

そうですよね。本当にわかってもらうのは難しいし、勇気がいるけど大事なことです。本当は保護者相手に言いたくはないですよね。できることなら。
僕も、先生たちへの指導でよく言うんですけど、授業の時に生徒に指示を出すじゃないですか、「じゃあちょっと顔あげてくれる?」っていうふうに。ところが、指示に従っていない生徒がいるのに、先生が話し始めるのがほとんどなんです。でも、顔が上がっていない生徒がいるのに話し始めるってことは、「自分の指示は聞かなくていいですよ」って先生が自分で発しているメッセージになるんだよって伝えるんです。
あそこに「私語しないでください」って、園として張り紙をしている以上、貼ってあるのに私語しているのを先生の方が何も言わないのであれば「私たちの言うことは何も聞かないでいいですよ」ってことになってしまいますものね。

 

おっしゃる通りです。

 

幼児期にこういうことを気をつけて子育てしてもらいたいということが、他にもありますか?

 

うちの園の場合は、とても熱心に子育てをしている方が多いんで、どうしても過保護・過干渉の傾向が強くなります。シンプルに子どもが自分でできることをさせてくださいということを伝え続けています。

 

自分でできることは、自分でやる。

 

それを増やしてください。と!その積み重ねの先に自立があると思っています。
小学校入ったら急に自立するわけじゃないですよ、今が大事なんですよっていう話ばっかりです。親がやってあげている方が多いでしょ?衣服の着脱とか。
今の子育ては、子供が困ってたら助けるという「ヘルプ」が主流になっているんです。
子育てというのは「サポート」だと思うんですよ。
できるようにさせてやるためにサポートしていく。私が伝えているのはそういうことばっかりです。子育ての目標は我が子の自立ですから。
あとはやっぱり、うまくいかないのが子育てなんです。
お母さん「そんなに急がんでいいですよ」って、「今も大事だけど、もっと長い目で見ましょうよ!」っと。我が子の子育ての経験と園児の様子をリンクさせながら、保護者にはお伝えしていっています。

 

失敗してはいけないっていう強迫観念があるんでしょうね。

 

子育てに関する情報が多すぎるんだと思います。もっと目の前の我が子をしっかり見てくださいと、そしていつも言うんです、些細なことを気にされるお母さんに「自分の子供の時を思い出して見てください。そんなことなかったですか?」って「ありましたよね?」って
そういう話がようやく(保護者)と歳が離れてきたんで、出来るようになりましたね。
昔はなかなかできなかったです。

 

確かに、年齢的なことはやっぱありますよね。本当に色々お話聴かせていただいてありがとうございました。

 

 

 

<プロフィール>

白水剛(しろうずたけし)

1967.1.19生まれ

1990 福岡大学商学部卒業

1990 ホテル日航福岡入社

1995 学校法人白水学園入社

2003 学校法人白水学園 くすの木幼稚園園長就任

2004 学校法人白水学園 第三代理事長就任

 

父は白水学園の二代目理事長、母は小学校校長という教育一家に生まれる。両親とも忙しく、家にいないのをいいことに自由奔放に育つ。小学生までの成績はなかなか優秀であったがそこをピークに下降線をたどる。小中は野球に打ち込み、ヤンキーだらけの中学野球部の中でかなりもまれていたことが、彼の人生においては貴重な経験になっている。受験勉強をしているふりが得意で当時の人気深夜番組オールナイトニッポンを聞きまくった為、あえなく公立に落ち、私立の男子校に行かざるをえなくなった。高校三年間は灰色の生活を送ったらしく勉強勉強また勉強の繰り返しであったらしいが、何とか大学に受かった。
大学では一転してバラ色の生活を送ったもよう。テニスにバイトにバンド活動。とにかく充実した大学生活を送り生涯の友となる出会いもあった。
就職はこれまた第一志望に落ちたが、ホテルというお客様を喜ばせる世界で、『おもてなし』を学んだことや女性が多い職場での振る舞い等、かなり貴重な社会経験を積んだようだ。5年間勤めたが、当時小学校の教諭をしていた自慢の姉が病気で急逝。
落ち込んでいる親を助ける意味もあり、急遽ホテルを退職し家業を継ぎ、玉川大学で教員免許を習得し現在に至る。「幼稚園の仕事は世界一」今、彼はそう言っているが当初からそうだったわけではない。過去には大量の職員の離脱、園児数減、大きな事故も経験し、そんなことを乗り越えようとしている現在進行形の白水剛である。

白水学園ホームページより)

 

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