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Interview 14 佐原総将さん

2020/03/04

今日は靴磨きトラベラー佐原総将さんにお話を伺います。宜しくお願い致します。

よろしくお願いします。

靴磨きはいつから始められたんですか?

2019年の9月1日から靴磨きトラベラーとして活動しています。

それまでは靴磨きはしてなかった?

してなかったですね。僕は愛知県のテーマパーク「レゴランド」で2年半働いていたので、革靴を履くような仕事ではありません。テーマパークでは安全靴を履いてたし移動中は本当にカジュアルな靴を履いてましたから。

それが、テーマパークをやめられて始めたのが、どうして靴磨きだったんですか?

実は世界一周したいっていうのが長年の夢がありまして。それをするためにやっぱりお金が必要、、、僕は海外が好きなので、1年に1回ぐらいはいろんな所に行ってたんですけど、やっぱりどこに行くにしてもお金がかかるなってなったときに、結構お金を理由で世界一周を諦めてきたことが多くて。でも、お金で諦めるのが嫌だなと思っていたんです。

 あるとき、「だったら世界中で必要なお金を稼げるようなスキルを持っていければいいんじゃないか」って考えたんです。

 昨年の3月にスペインのサグラダファミリアに行ったときに、目の前で、スペインのバッチとかを販売している物売りの人たちがいて、絵を描いている人もいましたし、路上ミュージシャンもいるし、いろんな方法で生きている人がいたんです。それをみて、自分も何かここでできないかな、と思って足元を見たら結構、革靴を履いてる人がいるなと気づきました。そこで「靴磨きだったらできるんじゃないか」っていうのが浮かんできました。そこがスタートですね。

思うところまでは誰でもするんでしょうが、実際に会社も辞めて、路上に靴磨きに出るという一歩を踏み出したのはいつですか?

本当は2019年いっぱい、12月末までレゴランドで働いてから、靴磨きをやろうって思ったんですけど、「靴磨き」っていうのも、そのときは全くわからなかったので、一回、プロの靴磨き職人に磨いてもらうと思って、名古屋のある有名な靴磨き専門店に(靴を)持っていってみたんです。そのときにすごい感動して。廃れてるものがきれいになるっていうのはこんなに美しいんだというところとか、本当に一つ、靴磨きも一つの、ショーだなと思って。すごい作業とかに僕は魅了されてしまったんです。「あぁこんなかっこいい職業があるんだ」と。

 僕は世界一周終わった時に、靴磨きの専門店を、この人のように出したいなぁ、って思った時に、世界一周を、最初はいろんな景色を見たいというの理由だったんですけど、世界一周靴磨きの武者修行にしようと思って。世界中で靴磨きをして自分の腕も磨いて、心も磨いて、で帰ってきたらこの人のような靴磨き職人になろう、思ったんですね。だったらまず日本一周だろうと思って、あの、12月まで働こうと思ったのを、世界一周の日付をずらすんじゃなくて、それ前に辞めて日本一周しようって思って、8月いっぱいまでテーマパークで働いて、9月1日から1か月路上に出て靴磨きを始めました。。

レゴランドをやめた次の日からってことですね。それまでは会社員だったんですよね?その中から一歩外に出て、自分一人でやって行くと決められたわけですが、その一歩目を踏み出すときに怖さみたいなのはなかったですか。

怖さは、、あの、、、正直ありました。でも自分の中で確実だったのが、不安よりも希望の方が大きくて。もう早くやりたいって思えるくらいの道が見えたんですよね。今まで迷ってたのにマップを手に入れた感じだったんです。このままその道を通ったら僕は世界一の靴磨き職人になれるって、思ったんですね。何をもって世界一というのかは、まだ分かりません。そういう称号なのか、世界一高い金額で磨くことなのか、お客さんを世界一持つことなのか、っていうのがわからないですけど。少なくとも僕は目の前のお客様を Happy にすることを、色々と考えたらできるんじゃないか。で、その人たちを増やしていければ僕は世界一になれるんじゃないか、って思ったら、すごくワクワクして、不安よりも希望が打ち勝った。だから一歩踏み出せたのかなって思ってます。

例えば、会社員は続けるんだけど、例えば土日だけ靴磨きをやるために路上に行って、という、自分が生活するための収入は確保したまんま、そっちに挑戦してみようという気持ちはなかったんですか?

なかったです。

それはどうしてででしょう?

二つあると思っていまして。一つは退路を断ちたかったなっていうところですね。中途半端にしてしまうと、やっぱり戻りたいっていう気持ちも出てくると思うので。僕は実は前の会社が本当に好きで、ずっと一生ここで働いていくんだろうなぁ。と思いながら骨を埋める気で働いてたんです。だからこそ退路を断たないと、靴磨きが少しでも行き詰まったときに夢への挑戦が終わってしまう気がしたというのと。もう一つは、前の会社は子供たちと話す機会がたくさんあって、そのときに思ったのが、やっぱり子供は夢を語るなと。こちらが聞いてないのに、将来アイドルになりたいとか、プロ野球選手になりたいとか、消防士になりたいというのを、本当にキラキラした目で話す姿を見て、僕はいつからか夢を語らなくなったなと思ったんです。

 僕には世界一周したいという夢がずっとあったのに、お金を理由に行動しないで、それを人に言わなくなっていたんですね。なんか本当に子供に負けないようにではないですけど、そういう子供の言葉に影響されて。せっかく影響されたんだったら行動に移そうと思ったからこそ、保険をかけずに一歩を踏み出せたかな、と思ってますけど。

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