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心晴日和

2010/02/25

 

【発行日】2010/02/25

【出版社】幻冬舎

 

 

「小さな心がけ一つで幸、不幸はコントロールできる!」”絶望”が“希望”に変わる奇跡のストーリー。悩み多き人生に差し込む一筋の光。働く女性必読の心にしみる一冊。

 

【内容】

クラスの女子からいじめられ、孤独を感じている14歳の美輝。ある日病院で出会った井之尾という不思議な老人に、「自分のかわりに春を感じるものを見つけて写真に撮ってきてほしい」というお願いをされる。言われるがままに外に出てみると、美輝は今まで殺風景だった通学路に春があふれていることに気がつくのだった。道ばたに咲いている花、車のボンネットで昼寝をする猫、河原で野球をする半袖姿の少年たち…。心が晴れた記念日―その日が美輝の心晴日和になった。小さな心がけ一つで幸、不幸はコントロールできる!ロングセラー『君と会えたから…』『手紙屋』の著者が贈る、“絶望”が“希望”に変わる奇跡のストーリー。

 

 

 

Officeはげっち淨德和正さんによる推薦文】

こんな寓話があります。
あるところに手入れの行き届いた美しい庭園がありました。
庭師は毎日骨身惜しまず世話をしていました。
毎朝、彼は二つのバケツを持って小川まで水をくみに行きます。
一つのバケツは新しくて水を一滴もらさず運びます。
もう一つは古くて穴があいていて、水をもらすことをバケツがとても恥じていました。
小川から庭まで運ばれて行く途中、二つのバケツは会話をしています。
「ごらん、僕がどれだけ優秀か。僕のおかげで美しい庭があるのさ」と新しいバケツがいいます。
「私が役立たずなのはわかっていますが、庭師が私を使ってくれる限りは
精一杯やれることをやるだけです」と古いバケツはいいました。
その会話を聞いていた庭師は、庭園に着いてから二つのバケツにこういいました。
「いつもありがとう。ご苦労さま。では小川から庭園までの道を見てごらん」と。
よく見ると、古いバケツが通った道ばたの跡にだけ、緑の若芽が一列に並んでいたのです。
その若芽は数週間もするときれいな花を咲かせます。
いかがでしょうか。バケツだけじゃなくて人も同じ。
どんな人も必ず何かの役に立っているのです。少し見方を変えるだけで。

十四歳の中学生の美輝はあることでクラスでいじめられます。
そんなときに病院に入院している不思議な老人に出会います。
その不思議な老人が語る話は、美輝にとってはこれまで誰にも
教えてもらったことがないことばかりでした。

〈本文より〉
「ただ、学校を休まず来ていたし、私の前ではそういうことを
感じさえないほど誰にでも明るく振る舞ういい子じゃった。
そして、その子はある日突然亡くなった」
「そんな・・・それほどまでに・・・」
「そうじゃない。交通事故じゃった。誰も予期しない出来事じゃ。
その子は日記を残しておった。その結果、たくさんの人間の人生が
変わってしまった」
「そこにいじめの事実が書かれていたのね」
「いいや。それも違う。そこに書かれていたのは、
『ありがとう』ばかりじゃった。その子は『ありがとう日記』をつけておった」

『心晴日和』より 95ページ