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ライフトラベラー

2013/08/13

 

【発行日】2013/8/13

【出版社】Discover 21

 

【内容】

「人生を変える旅をしたい」と言う、大学生の知哉に、親友の夏樹が提案したのは、「ほとんどすべてが〈自由〉な〈不自由な旅〉だった。
ほとんど荷物を持たず〈出会い〉という〈奇跡〉を呼ぶ旅だった。夏樹の口を通して語られる数々の宝石のような言葉。
なぜに、夏樹はそこまで、〈人生〉という旅を価値あるものにする知恵を持つのか?
その謎が明らかになる後半。。。著者自身の手による写真も含め、豊富な美しい写真とともにお送りする、この短いストーリーの中に、読者の人生を変える秘密が秘められている。

 

 

 

Officeはげっち淨德和正さんによる推薦文】

人間は星のかけらでできているといった物理学者がいます。
僕らの体を構成している元素のほとんどが、かつては星のなかに
存在した物質だったからです。
僕らの故郷は宇宙だといってもいいかもしれません。
その宇宙は約137億年前に生まれて今も膨張をつづけています。
そして地球は約45億年前に誕生しました。
最初は生命が育つ環境ではなかったようですが、地球の温度も下がり
流れ星が有機物を運んだりしながら、生命が誕生したようです。
このような悠久の時間のなかで生命が進化して僕らは誕生したこと
になります。宇宙の年齢に比べたらわずかな時間ですが
僕らは成長しつづけている存在だといえるかもしれません。
そう考えただけで、僕らには無限の可能性があるように思うのは
僕だけでしょうか。
『ライフトラベラー』の物語には喜多川泰さんが撮られた
写真も収められています。さぁ人生を変える旅にでかけましょう。

〈本文より〉
「そうかい、それは何より。
でも、ぼくにとっていちばんの旅の醍醐味はやっぱり、
旅立つ前よりも一回りも二回りも人間的に成長できるということかな」
「人間的に成長できる?」
「ああ。いままで無理と思っていたことが、できることに変わったり、
それまで持てなかった勇気が持てるようになったり。
そのことが自分でもわかるようになる。それがいちばんかもしれないね。
ただ、どうやってそれをやるかについてはもう教えたよね」
「ええと・・・たしか、できるだけたくさんの〈0〉を・・・」
「〈1〉にする」
知哉が言葉を発すると同時に、夏輝は右手の人差し指を一本立てた。
知哉はほほえんだ。
「よし、この旅でどこまでできるかやってみるよ」
「どこまでもできるさ。それがもともとできる人だってことを
忘れてるだけなんだから」

『ライフトラベラー』より 102ページ