賢者の書
2005/01/31
2005年1月発売の喜多川泰デビュー作
【内容】
仕事も家庭も思うようにいかず人生に絶望していたアレックスは、ある日公園で、少年サイードと出会う。彼は9人の賢者と出会う旅を続けていて、ここで最後の賢者と会うことになっているという。アレックスは少年の許しを得て、『賢者の書』を読みはじめた。
まったく新しいファンタジー風味の自己啓発書。
少年がさまざまな賢者から、「可能性」「目標」「自尊心」「感謝」などについて学んでいくさまは、仕事や人生に行きづまりを感じているあなたに、涙あふれるほどの感動と心の底からのやる気を与えてくれることでしょう。
【Officeはげっち淨德和正さんによる推薦文】
僕が20代に出会った本のなかにあった一行だ。
「人生の師となる人を3人もちなさい」。
日本の芸や職人の世界には今も師弟関係が連綿と受け継がれています。
この世界では師匠から言われたことに、弟子は迷わず「はい」と受け入れる。
コップの水がいっぱいだと新しい水が注げないのでコップを空っぽにする。
心を空っぽにできることを素直といいます。学ぶは「まなぶ」「まねぶ」と読まれ
「真似る」の意味もあります。素直に師匠の一挙手一投足を真似て学んでゆく。
いつくになっても耳に入れたくないような厳しい言葉を投げかけてくれる、
師の存在は灯台のような存在です。
1冊の本もあなたの師となります。
心を空っぽにすれば、どのようなことからも学べ、師となるのです。
「賢者の書」は、絶望した男が1冊の本に出会い運命を変えてゆく物語。
1冊の本には9人の賢者の教えが説かれいます。
また喜多川泰さんの『「福」に憑かれた男』では、主人公が困ったときに
師となる人との出会いも描かれていますから、一緒に読まれることをおすすめします。
〈本文より〉
私は君が完成させようとしているこの賢者の書から、
自らの人生の誤りを学んだ。
自分がいかに成功の人生と反対の人生を過ごしてきたかが
痛いくらいによくわかったんだ。
そして、私の人生の悲運の数々は自分自身が生んできたということも。
私はもう五十を越えている。
ここまで来てしまった人生をどうすることもできないと、
諦めかかっていた。情けない話、どうすることもできず、
何をしていいかもわからず、一人になりたくて、
あらゆることから逃げ出してここに来たんだよ。
でも今は全く違う気持ちなんだ。
今日から全く新しい人生を始めても遅くない。
心からそう思えるんだ。
『賢者の書』より 184ページ(旧版)