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花見の仇討

2021/03/31

「花見の仇討」
という落語がある。

長屋の仲良し4人組が花見の余興に何かやろうと企画。

二人が仇討ちをする巡礼兄弟、一人がその仇。
桜の木の下で、ようやく探し当てたという芝居を打って仇討ちを始める。
「仇討ちだ!」と人だかりができたところで
そこにもう一人が六部(巡礼者)となり仲裁に入り、花見の余興だとばらす。
「これは盛り上がるぞ!」
と俄然やる気になるのだが、花見当日、六部役の者がおじさんに呼び止められ
酒の相手をさせられる。一方で、巡礼兄弟の格好をして歩いている二人組は
道すがらとある侍と出会い、あるきっかけでその侍が「仇討ちの助太刀」を買ってでる。

というあらすじ。
花見の余興に「仇討ち」をやるほど
日本人にとって「花見」とは、単なる花を見るだけの時間ではなく
それを見ながら、皆で楽しいことを考え
その時間を共有するというイベントだったということだろう。

昔から日本人は
花見や祭りといった
日常とは違った特別な一日を設けて
エネルギーを発散させる場所を大切にしていた。
そういう場所は人間にとって必要なのだと思う。

今年も花見といっても
桜の木の下で宴会騒ぎというわけにはいかない。
だけど、それがスタンダードになっていってしまって
みんなでワイワイする文化がなくなってしまうのはとても残念。

落語でも聞きながら
コロナ後の花見でどんな余興をするかでも考えておこうか。

落語のオチは…
気になる人は実際に聞いてみてください。

ちなみに僕が聞いている「花見の仇討」は
3代目三遊亭金馬さん。

やはり名人は時代を超えて愛される。