燃焼
2021/09/02
新しい壱万円札には渋沢栄一が描かれている。
農民として生まれ
攘夷運動に入れ込み横浜焼き討ちを計画
一橋家に身を寄せて武士となり
慶喜が将軍になることとなり、攘夷倒幕に人生を賭けてきた男が幕臣となる。
日本の歴史が大きく変わろうというその瞬間には
パリにいて、そこでの学びや経験が土台となり
その後の日本にとって欠かせない人間になっていく。
彼ほど波乱に満ちた人生を送った人も珍しい。
いや、人生は誰もが波乱に満ちているのだが、渋沢と同じように
幕末から明治という時代の中で自分の命をかけて何かをやり遂げたいと思っていた人は
ほとんどが道半ばにして若くしてこの世を去っている。
どうして渋沢は生き残り、成長できたのか。
同時代の福澤諭吉や伊藤博文同様、実際に欧米を見て学んできた
というのは何よりも大きい。でもそこに至るまでの道でも、渋沢をはじめ
時代を超えて生き残り活躍している人は、
「よく見て、よく考えて、変化を受け入れて行動を変えている」
その都度命がけではあるが
昨日までの信条や遺恨にとらわれず
今の自分にできることを、ものすごいエネルギーで探している。
彼らにとって「生きる」というのは、「燃える」ということのように感じる。
近くにいる人は、その熱を感じ、動かされていく。
そうだ、僕たちは「生きている」のだが、別の言い方をすると「燃えている」のだ。