目がいい人に「メガネ」は必要ない。
だからといって、目がいい人が
「メガネなんて必要ない」
と言い切るのは乱暴だ。

歩ける人にとって「車椅子」は必要ない。
「そんなのいらないんだよ」
と歩ける人が主張したら、車椅子が必要な人はどう感じるだろうか。

塾の先生をしてきて
「塾なんて必要ない」
という言葉を何度も聞かされてきた。
「自分はなくても十分理解できた」
「塾があるから自分で考えなくなる」
など様々な意見があり、その主張をする人にとっては必要なかったものだということに異論はない。
でも、必要な人もいるのを知っている。

作家として作品を世に出すと
「こんな作品くだらない」
「お金の無駄」
「時間の無駄」
と言われることが少なからずある。
僕の著作が必要ない人にとっては誠にその通りだろうと思う。
しかし、必要な人もいる。

自分にとって必要かどうかだけで
評価をするのが「人」なのかもしれない。

でも、誰の仕事も
それを必要としない人のためにしているわけではない。
それを必要としている人のためにしているのだ。

そこに迷いはいらない。
心を尽くしてやればいい。