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鍛錬を

2021/10/19

知識や情報が溢れている今の世界。

「どうすればできるのかがわからない」

といった疑問に対する答えも
検索すれば誰かが動画をあげていて
たちどころに「なるほど」と
わかってしまうことが増えました。

ところが「わかる」ことが飛躍的に増えていく一方で
「できる」ことの数は追いついていかない。
むしろその隔たりは大きくなる一方。

それもそのはずで「わかる」は一瞬で訪れるが
「できる」ようになるためには
気の遠くなるような反復の鍛錬が必要だから。

例えば「腹筋を割る」という動画は世の中に溢れているので
どうやったらそれができるかは誰でもすぐに「わかる」が
実際にそれが「できる」ようになるためには、数日ではなくものすごく長い時間が必要なことがわかる。
技術や技能を扱った動画もよくある。
職人が何かを作っている動画を見ると
どうやってそれを作っているのかが「わかる」が
自分もやってみると、同じようにできるようになるまでに途方もない時間が必要だ。

今の世の中は自分ではできないが
わかった気になることに溢れた世の中だ。

「できる」ことを増やしたければ
鍛錬することを絞る必要がある。

「千日の稽古を鍛とし、万日の稽古を練とする」(宮本武蔵)
の言葉通り、しつこく繰り返していくしかない。

それは他のものを切り捨てることでもあるが
「できる」ようになるためにはそれ以外方法はない。

切り捨てるとつまらなくなると思うかもしれないが
わかった気になるものをこれ以上増やさないで
「できる」ことを一つでもいいから身につけるべく生きることは
毎日に充実を生む。

一つのことに徹底的に打ち込み
何かができるようになること。
その何かが、他の誰もできない程度にまで研ぎ澄まされていくこと。
実は誰もが憧れる生き方だ。