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意味が生まれる

2018/05/12

静岡で行われた一日講座「喜多川泰の一期一会 2018」は
講演会に参加するのが初めてという方が半分ほど
いらっしゃったにもかかわらず、最高に盛り上がった会になりました。

みなさん、時間の楽しみ方を知っていらっしゃる。
「県民性です」
とある方がおっしゃっていましたが、瞬間的にその県民性の虜になりました。

第一講座と第二講座の間の休憩時間に行われたサイン会。
ある女性の方が「ソバニイルヨ」をもっていらっしゃいました。

「実は、私息子を亡くしているんですが、この本に本当に救われました」

と言いながら、「ソバニイルヨ」を差し出してくれました。

もちろん、その悲しみを一冊の本で完全に癒しきることなど
できるはずもありませんが、ほんの少しでも、心が軽くなったり
いつもそばにいるんだという気持ちになれたりする。
そういう力が本にはあるわけです。

作品というのは書いた時点では何も生み出していませんが
読者と出会い、それを読んだ人の人生の中に変化を起こしてはじめて
「生まれた意味」が積み上げられていきます。
その方のその一言で、僕の中にも「ソバニイルヨ」という作品を
書いた意味が生まれました。

誰か一人の心の深いところに届く
そういう作品は
きっと、他のたくさんの人の心の深いところにまで届くはず。

同様に、この作品を必要としている人が
この作品といつの日か出逢う瞬間がやってくることを
心から願っています。

またみなさんに会いたいですね。

次は12月15日(土)の浜松でお待ちしています。