理解が生む優しさ
2019/12/27
以前、どなたかから教えていただいた話
電車の中に、小さな子供二人と父親らしき人が乗ってきた。
父親は空いている座席に座りましたが、子供二人は手すりやつり革を遊具がわりにして遊び始めた。
ところが、父親らしき人はその様子を注意する様子もなく、座ったまま無表情で一点を見つめている。
周囲の乗客は迷惑そうにその親子を見ながら、どうしてこの父親は子供のことを注意しないのかといったイライラした空気が車内に漂い始めました。痺れを切らした一人の乗客が父親に、
「息子さんたちが他の乗客の迷惑になっていますよ。注意してもらえますか」
と話かけたたらしい。
するとその父親は、はっと我に返ったようにその人の方を見て、
「申し訳ありませんでした」
と言った後で
「たった今、病院で母親を亡くしたこの子たちに、どうやってそのことを伝えたらいいか考えていたらボーッとしてしまって」
その話が聞こえた乗客たちは、子供達を自由に遊ばせたままにしてあげようと思ったそう。
「怒り(いかり)」の反対は「理解(りかい)」
聡明舎の鷲井が口癖のように言っていた言葉です。
子供や大人の区別なく、出逢った人たちのことをできる限りたくさん理解できるように、よく相手のことを聴く耳と、しっかりと見る目をもった2020年にしたい。そう思う今日この頃です。