未来人へ
2021/06/18
今から200年前は
通信のスピードは人の移動の速さだった。
蒸気機関の発明
飛行機の発明などがあり
どんどんスピードが上がっていった。
人類の歴史上、人より早く情報を得ることは
とても大事なことだった。
結果として、今ではメールやLINEなど
世界中どこにいても「言葉」はほぼリアルタイムで届けることができるようになった。
そういう時代になって初めて
そういった電子機器を使わない文章はすべて未来人への手紙だと
強く感じることができるようになった。
手紙も書いた時と、それを受け取るときには
ほんの数日とはいえ時間差が生じる。
だから、書いたときから見ると「ほんの少し未来の人」に対するメッセージになっている。
本も同じだ。
書いた時と、それを読む時は同時ではない。
短くても数ヶ月、長い場合は数年や、数十年、ものによっては数百年先に
初めて読まれるということだってある。
ある中学校の先生から
「『賢者の書』を生徒に薦めたら感謝された」
という話を聞いた。
2004年にこの本を執筆したとき(出版は2005年)
その中学生はまだこの世に生まれていない。
そのときの僕が今の世の中を予想することはできなかったが
それでも、未来の人(つまり2021年を生きる今の人)が当時の僕から
メッセージを受け取って今を生きる力や勇気に変えている。
まさに時空を超えた対話である。