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日本文明

2022/03/08

ハーバード大学の国際政治学者サミュエル・ハンティントン教授は90年代に
ベストセラー『文明の衝突』の中で世界の文明を7つに分けました。

西欧文明
イスラム文明
東方正教会文明
ヒンドゥー文明
ラテンアメリカ文明
中華文明 
 そして

日本文明

の7つです。

日本文明以外は多くの国にまたがるのに対して日本文明だけは
日本という国だけです。
当然最初は中華文明の一部のように考えようとするらしいのですが、どの学者も中華文明と日本文明では大きな隔たりがあると認め、日本という小国だけに存在する文明としてカウントすることになるとのこと。

これは非常に誇らしいことであると同時に
他国に理解してもらうのが難しいという側面もあると思います。

他の文明は、いくつかの国で共有しているが故に、国は違えど考え方を理解し合いやすい。
一方で、日本だけは一国で一文明なので「なんでそうなるの?」と理解できない、
または、されないことがたくさんあるわけです。
実際に明治以降、国際社会の仲間入りをした日本は
日本文明の価値観からは生まれようのない価値観に翻弄されていきます。

「帝国主義」「共産主義」「資本主義」「民主主義」
どれも日本文明の土壌からは生まれない考え方ですが
それらを産んだ文明を構成している国々では考え方がシェアできる。
日本はどこに合わせたとしても、日本ぽくないんですよね。
ぽくないのに、それにみんなで合わせようとした時に国としておかしな方向に行ってしまう。

日本では、仏教徒か神道かの統計を取ると合わせて2億人を超えると言われています。
そもそもそんな曖昧なことが許される文明などない。
上にあげたどの「〇〇主義」においてもそんな曖昧さが許されるものではない。

でもその、矛盾すらも抱え込むほどの包容力が「日本文明」の魅力でもある。

1500年にわたり
「和を以て貴しとなす」
という文明を作り上げてきたのが日本文明です。
それは他の文明圏にとっては理解不能かもしれませんが
逆に言えば、日本にしかできないことがあるとも言える。

誇らしいから日本を学ぶだけではなく
他の文明圏の人たちに理解してもらうためにももっと日本を学ばなければいけない。
そう思います。