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自発

2019/07/24

野球少年だった幼い頃
練習の締めはノックと決まっていた。

最後の一球はバックホーム。
ノックをするコーチは
飛びついてもギリギリ取れないであろうところを
狙って鋭い球を打つ。
横っ飛びに飛びつくが届かない。
すぐに立ち上がって、もとの定位置に戻ってきて言う。

「もういっちょこい!」

先ほどと同じコースのボールに
先ほど以上に思いきって飛びつく。
ボールがグラブに収まるが、立ち上がって握ったボールが上手く指にかからず
キャッチャーに向かって投げたボールが左に逸れる。

「捕ったあとが大事だろ」

コーチからの檄が飛ぶ。

「はい!もういっちょおねがいします!」

そんなことを何度か繰り返して
自分でも納得の一球が生まれて練習が終わる。

 

これからの時代は「自発」が鍵になる。

「もういっちょこい!」

と自らが言わなければ、頑張っても届かなそうなところにノックを打ってくれる
上司なんていなくなってきた。
そんなことをしたら「パワハラ」と言われてしまうから。

でも、自らが求めるものについては話が別だろう。
やらされるのではなく、自らが求めて成長のためにあえて苦しみに飛び込むのだ。

僕は常にそうでありたい。

「もういっちょ、おねがいします!」