その一人になろう
2021/12/10
山口県PTA連合会、東京学芸大学附属大泉小学校PTA、そして常滑市立青海中学校と
この一週間だけで三つの学校関係の講演会があり、たくさんの先生と出会いました。
出会った先生たちはやはり「本」との出会いで人生が変わったという人ばかり。
そういう経験をすると、当然子どもたちにも
読書の素晴らしさを伝えようとします。
生徒たちは、「勉強が忙しくて本を読む暇がない」から
「受験が終わったら読む」と言うことが多い。
先生も「受験が終わったら読んだ方がいい」とか
「大学生になって時間ができたら読書をした方がいい」などと指導する人がいるが
その人は、生徒と同じように「仕事が忙しくて本を読む暇がない」と思っている人だろう。
僕の感覚では「本を読まないから勉強が忙しくなる」し
「本を読まないから仕事に追われる」のである。
だからこそ僕は受験生こそ、一日15分の読書を欠かさないようにと指導をしてきた。
人は小中高と12年間の学校生活の中で
およそ100人の先生と出会い、直接指導を受けて
社会に出ていきます。
ところが大人になって読書習慣がないという人がこれほど世の中に多いということは
その人たちにとっては、100人の中の誰一人として読書の素晴らしさを教えてくれた先生がいなかったということ。
それぞれの先生が自分の役割は「数学を教えること」「私は英語」
部活の指導者は「自分はバスケ」と割り切っているのかもしれませんが
その中のたった一人でもいいから「読書の素晴らしさ」を教えてくれる存在がいれば
その人は子供の人生にとってかけがえのない大切なことを教えてくれた師となるでしょう。
数学や英語の内容はいつか忘れ去るでしょうし、その成績や点数が人生の役に立つことはそれほど多くはない。
でも、読書習慣は人生のあらゆる場面でその人を助けてくれるのです。
すべての先生が「その一人」になろうとしてくれないかなぁ。
というのが僕の願いでもあります。
「旅立つ教え子に本を送る先生を応援する企画」
今年で10年目になりました。
これまで5,000冊を超える本にメッセージを入れてきました。
「元々卒業生に喜多川作品を送るつもりでした」
という先生がいらっしゃいましたらご活用ください。
少しでもお役に立てれば幸いです。