親友
2021/07/14
流行りの少年漫画やアニメは
仲間や絆、友情をテーマにすることで人気を博している。
そうすると、仲間こそ重要、分かり合える友達がいることが何より大切
友達は多い人の方がいい
という価値観が無意識のうちに自分の中に刷り込まれていく。
もちろん、そういった価値観は人気があるので
親や先生といった大人たちも、それが大事だって子供たちに伝える。
そういう価値観の中で育った心優しい子は
孤独なのは寂しいことだと疑いなく思い込んだり、
友達が少ない自分のことを、何か人間関係において人として問題がある人のように
思い込んでしまう。
でも、孤独なのは必ずしも寂しいことではないし
心から分かり合える友達がいなくても決して不幸だと決まったわけではない。
友達や仲間の大切さを否定するわけではないが
友達や仲間がいない孤独の中でこそ磨かれる人間性もあるし
一人でいるからこそ充実することだってある。
小中学生の頃、毎年のように
「親友の名前をかけ」
という調査が行われた。
僕は、親友と呼べる相手などいなかった。
それは親友とは何かということがわかっていなかったから。
仮に、自分が親友だと思っている相手の名前を書いても、相手が自分の名前を書いてくれていなければ
それは親友ではなくなるのではないかと思うと誰かの名前を書くことなどできなかった。
それを回収してパラパラ見ている先生は
いつも含み笑いをしていた。
「こいつは自分だけが相手のことを親友だと思っているのか」
「こいつには親友がいないのか」
ということを確認しながら笑っているように見えて仕方がなかった。
今、親友と呼べる友達がいなくても心配いらない。
それは悪いことなんかじゃない。
友達や仲間の数が人間の価値を決めるわけではない。
「いいね」も「フォロー数」も人間の価値を決めたりはしない。
そんなもので決まったりはしない。
孤独であっても、一人であっても
あなたの良さは揺るぎないものだ。