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勉強の前に

2021/10/29

高校時代は将来について様々な不安や葛藤がある時期。

未来とか将来がどうなるのかなんてわからない。
やりたいことも何が自分に向いているのかもわからない。
だけどつまらない大人にはなりたくない。
だからといって、そうならないために何をしたらいいかもわからない。

実際に大人になって社会に出ると
稀にではあるが「かっこいい大人」に出会うことがある。
そして、「自分もあんな大人になりたい」と憧れを抱く。
自らそういう出会いを求めて行動する人は
そういう大人と出会う確率は高くなるが
特にそういう出会いを求めていない人は、偶然そういう人と出会うことを期待するしかないので
極めて可能性は低くなる。

かっこいい大人と出会って
「自分もあんな大人になりたい」
と思う、その方向性のことを「志」と言う。
志は先人の人生に触れて「心震える経験」をしたときに
自分がバトンのように受け継ぐものであって
自分の中から育ってくるものではない。

志なき学習に対しては
将来の不安を解消するために少しでもお金があったほうがいいだろうから
という価値観でしか、動機を産むことができない。

大谷、イチローなど有名選手を多数輩出している野球というスポーツにおいては
将来の夢を語る少年がたくさんいるだろうが、その少年が野球を諦めたとき
先人の活躍を知らない競技、例えば「カヤック」の世界で、ああなりたい、こうなりたい
とイメージすることなんてできない。たどり着く先が見えていないのだから
そこに行くために、今何をやればいいかを考えることすらできない。

かっこいい先人の存在を知らずして、どこに向かっていくのかを決めることはできない。

社会の中には一握りしかいない「かっこいい大人」も
ある場所に行くと溢れかえっている。
どこを見てもそんな大人しかいない。
そういう場所がある。

それが本屋だ。本の中にはそういう人の人生が溢れている。

高校時代はできるだけ多くの「先人」「かっこいい大人」の生き方に触れるべきだ。
だから一冊でも多く本を読んだほうがいい。

「そんな生き方をした人がいるんだ」と感動できるような生き方を
一人でも多く知ったほうがいい。
その世界の入り口へ誘うのが、真の指導者の役割だと思う。

勉強をするのはその後でいい。