伝える
2021/11/11
「今言ってもわからない」
と思うことは確かにある。
何かを心から理解するためには、前提となる「経験」が必要だ。
「今のうちに勉強を頑張っておいた方がいい」
と大人が言うのは、そう感じるような「経験」をそれまでの人生で何度もしてきたからであり
その「経験」がない子供が
「わかってるって」
と返事をしたところで
「わかるはずがない」
と思うだろう。
では、どうせわからないなら伝えない方がいいのか
となると話は別だ。
それだと様々な経験をしてきた年長者が、まだ経験の浅い年少者に対して
伝えられることが何も無くなってしまう。
だから伝えずに、経験させる
と言う人もいるだろう。
わからないかもしれないけど伝えなければ
それを伝えるチャンスはもうやってこないから伝えると言う人も。
だからと言って、その伝え方でいいのか?
実は言ってもわからないのは
伝える側の、工夫や能力に大きく関係している。
伝えたい内容は一つでも
その伝え方は一つではない。
工夫をしたり、考えたり、学習したりすることで
方法は無限に増えていく。
その中で、一番いいと思える伝え方を選択したにも関わらず
やっぱり伝わらなかった
のであろうか。
きっとそうではない。
伝える側が直情的に、何の工夫もなく、その場の感情に任せて
言葉を選ばずに伝えた結果、「伝わらなかった」のではないだろうか。
確かに人に何かを伝えることは簡単ではない。
元々簡単なことではないからこそ、工夫が必要だ。
そして、その工夫次第では伝わる内容や程度は大きな差が生じる。