いつか返すもの
2021/11/15
ものの貸し借りは人生の中で少なからず経験する。
貸したものが返ってきたとき
相手がどのような人かよくわかる。
親切で貸したら傷だらけになって返ってきたものがあった。
「これ、ありがとうございました」
と言われて、手渡されたそれが驚くほど傷だらけになっていて絶句したが
相手はニコニコしていて特に申し訳なさそうにもしていなかった。
おそらくどんな状態で借りたかを覚えていないのだろう。貸した方は覚えている。
まあ、貸すというのはそうなる可能性も含まれているし
返してくれただけでもマシなので文句は言わないが
特に自分にとっては大切なものであっただけに
大切にしてくれてはいなかったことに悲しさは感じる。
一方で、使われずに返ってきたものもなんとなくわかる。
せっかく貸したのに、相手にとっては何の役にも立たずに返ってきたとすれば
それはそれで悲しいことだ。上手に使ってほしかったと思う。
自分のものじゃないからこそ
使わないのであれば、最初から借りない。
借りたからには、自分のものではないという前提を忘れずに大切に扱う人でありたい。
我々自身もいわば「借り物」だ。
いつか返す時がやってくる