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目の見えない白鳥さんとアートを見に行く

2022/05/10

Book サロン「Ladybird」で皆さんにプレゼンをしていただいた作品と
ご感想が素敵でしたので、
「読書の広場」で紹介させていただきたいと思います。

作品は読み手がどのような人間性で、どのような状況にあって、
また、どのようなタイミングで読んだかによってその受け取り方は様々です。
その作品から自分が受け取ったものを共有することで
共感したり、「そこの部分を読み取れていなかった!」という
新しい発見をすることができたりと本当に楽しい講座となりました。
また人それぞれ興味があるものが違うので、ご紹介いただく本の幅が広い!!
企画側の私たちにとっても新鮮な経験となりました。

「第53回大矢壮一ノンフィクション賞」(2022年度)にノミネートされた
こちらの作品からご紹介いたします。

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喜多川の感想

白鳥さんがいることで、一緒にいる人がいろんな視点や価値観を学んでいく。本当は、それこそが理想の先生のあり方なんじゃないかと思わされました。それぞれの章に、「そうか、目が見えないとそうなるか」と気付かされることがたくさん。真っ暗な中でシャワーを浴びるとか、どんな夢を見ているのかとか。
白鳥さんの世界は想像することはできても、「なるほど、こうね」と答え合わせをすることができない。
10年以上前に、「Dialog in the DARK 」に参加したときのことを思い出しました。真っ暗な中、スタスタ歩くだけでも大変。買い物も大変。公園で遊ぶのも大変。そこから見える世界に帰ってきて、何があったのかを想像しようとするけど、いまだに脳の中で再現できないんですよね。ただ、一緒に参加した人たちの顔を見て、声だけで聞くその人の印象とのギャップに本当に驚いたのを覚えています。


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ご参加いただいた皆様からのご感想

・福祉の視点からは、何一つ語られないこの本から私が感じられたことは、川内さんは白鳥さんとのやり取りの中で自分自身を見つめている、それはとても個人的なことだけど読んでいる私にも同じくらい心の中に嵐を起こしている、何も全盲の白鳥さんだからではなく、自分以外のものや人と会い、話し、感じることが生きることのすべてなのではないだろうか、と言うことでした。白鳥さんがリモートでの鑑賞は好きじゃないと言ったその感覚は、自分の存在を感じる手立ては「自分以外の何かや誰かといる、という空気」で、人はそれを感じなければ生きられない動物なんじゃないかと私は改めてこの本から感じました。


・一人で行きたい派であり、美術館には積極的に行く派です。
この本は、美術の素晴しさを伝える本かなと思い読み進める。想像を超えて来た読後感。
気がつくと、白鳥さんとマイティ、有緒さんの仲間の一人として、たくさんの美術館を一緒に巡っている自分がいた。本当に楽しい時間だった。
後半は、福祉、歴史、哲学について考えさせられる内容。もはや、美術本ではない。ポップな会話の中に本随を突いた文章にグッと引きこまれる。
一人で行く美術館もいいけれど、大勢で行く美術館も体験してみたいと思えた一冊。


・あまり興味がないと避けていた分野でも角度を変えて知ってみれば面白かったり、誰かと共有するからこそ新しい発見があったり。本もタイトルだけではわからない奥行きがあるなぁと改めて思いました。美術を鑑賞しながら共に観るその人自身と語り合えるということ。


・白鳥さんとの美術館巡り、、、途中までは読者。読み進めるうちに一緒に旅していました笑。美術館で展示物を鑑賞しながらも、観えないものを観る力を考え、それはどんどん内観に近づいていきました。わたしは個人的に第11章の「ただ夢をみるために」がとても好きです。マリーナ・アブラモヴィッチのことは直接知りませんでしたが、RHYTHM0の作品の話しは聴いたことがあります。その人間の残虐性や人の深層心理を読み解くと言われる夢を作品にするなんとなく心を突き詰めていくようなアートの中でなんのことはないさっぱりした日常があっさりと人間のややこしい部分を超えていく。そんな思わず「どーでもいいよね、ふふふ」って思える感じが障害も健常も過去も未来も残虐も優しさもぜーんぶを包みこんでどーでもよくない?みたいな、とっても素敵な作品でした。

目の見えない白鳥さんとアートを見に行く