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Interview 05 中野敏治さん

2017/10/20

 

それでは中野先生、よろしくお願いします。
中野先生は中学校の校長先生でいらっしゃいますが、最近の、中学生の難しいところとか、逆に昔に比べてすごくいい面とかありますか?

 

子ども本来は私はあまり変わってないと思うんです。ただ、難しい面といいますか、社会の動きの中で子どもがそれについて行けてないのかなとは思いますね。

例えば、スマホですね。中学生はまだスマートフォンとの付き合い方が上手ではないので、LINE等の、ああいうもので、いろんなトラブルが起きてしまう。

15年程前までは、「高校に入ったら携帯電話持たせてもらえる」とかだったのが、今は、中学校では当たり前で、小学校の3,4年生から持ち始めている。

先日は幼稚園の先生から、子どもが帰るときに、園児同士が「帰ったらLINE送るからね」って会話し合っているって聞きましたしね。

 

ええ?

 

まあもちろん親の携帯でしょうけれども、もうそういう時代になってきているんですね。
でも、子どもたちがなかなか追いついていけていない。

便利だけれども、使い方が正しく使い切れるだけの成長がまだできていないのかなって思いますね。さすがに学校には持ってこないんですけど、自分の部屋で、誰にもチェックされることなくスマホを使って、間違えればスマホが悪い使われ方されている。

「いい」「悪い」の判断が成長し切れてない中で、子どもがスマホを持てるという社会を、今我々が初めて経験しているところに難しさがありますね。

 

それこそ、教室の中でのLINEのグループとか、そういうのが大規模で出来上がってるような感じなんですか?

 

いくつかあると思いますね。クラスとか仲間同士のグループが。

 

そこでのやりとりだったり、そこでのトラブルみたいなものは先生の側まで上がってくるんですか?

 

上がってくるときはありがたいと思っていますね。実際には上がってこないトラブルがたくさん起こっていると思います。

上がってくればすぐにこちらで対応できる。ただ、考えてみるとそれはたぶん、家に帰ってからのやりとりで起きているわけですから、保護者と学校で一緒に対応していかないと、なかなか解決できないと思いますね。

親からも先生からも見えない場所で、例えば部屋でベッドで転がりながらLINE打って、それが大きなトラブルになってしまうって。それを把握しきるのは難しいことですね。

 

そういった場合は、多くの場合は保護者の方から話があるんですか?

 

保護者の場合も、子どもの場合もありますね。

 

子どもの方からもあるんですか?

 

多くはないですけど、ありますね。

スマホは便利だけど、その使い方という面ではまだまだどんな問題が起こるか想像もつかないですね。これから5年10年経つと、今の私たちが想像していないようなものが出されるかも知れないですしね。今は、LINEで騒いでますけども。「昔LINEで騒いだなぁ」ていう時代がすぐに来て、もっと新しいものがいろいろ出てくるんじゃないかなぁとも思いますね。

だから、これからの教育は予想もしていない課題が出てくるんじゃないかと思います。だからこそ、子どもが持っている本質的な良さをちゃんと大人が見ていかないと、表面だけのトラブルで子どもをつぶしてしまうことにもなりかねない。

そんな思いはありますよね。

 

スマホの問題はあるにしても、それ以外の部分で見ると子どもたちは本質的にはあまり変わっていないということですかね。

 

変わってないですね。
本当に、生徒たちはいい子だなぁと思いますね。
この、校長室を出た左側に、メッセージを貼ってあるんです。
(お話は山北町立山北中学校の校長室でうかがいました)

私が去年朝会で、辛かったりしたときに、そのメッセージ見て心に触れた言葉があったら持っていっていいよって言って貼り出し始めたんです。
今朝も同じ話をしたんですけど、今日もすでに、一枚なくなっていますからね。

子どもって本当に純粋で、しっかりと文字を読んで自分の今の気持ちとぴったりと合った言葉に出合うと、それを持って行きますからね。

 

純粋であるが故に、スマホなど「モノ」の使い方が上手くないとお互い傷つけ合ったりしてしまうっていうのもありますもんね。

 

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