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世界が注目する日本の介護

2021/09/02

超高齢化社会を迎えた日本において「介護」について
学ぶことは今後全ての人にとって必須になってくるでしょう。

認知症になった老人の介護は誰もが経験するときは「初めて」で、どうしていいかわからない。
でも、正しく知って、向き合う方法がわかれば、まったく違った学びがそこにあるように思います。

藤沢市にある「あおいけあ」では

「嫌なことをしない。いいところを活かす。困らない環境を整える」

それが「あたりまえの介護」だと考えて、入居者と接しているそうです。
それらを実践するために「マニュアル」もありません。

手を切ってしまうリスクがあるから包丁は持たせない。
踏み外して転ぶリスクがあるから階段は一人で歩かせない。
としてしまうと、できることがどんどんできなくなってしまう。

実際に、刃物で手を切ったり、料理中火傷をしたり、階段で転んだり、ちょっとした段差でつまづいたり
といった生活のリスクはすべての年代の人にある。

だから、できることをどんどんお願いするのが「あおいけあ」では当たり前。
その中にいる人たちは、「困ったことがない」ので認知症に見えないという。

実際の介護の現場では認知症の人が

嫌がることも、そういう時間だから、規則だからと無理矢理させたり、
活かせる部分すら探してもらえなかったり、
困った状態に陥って徘徊などの問題行動を起こしてしまったり
ということがあるのでしょう。

「あおいけあの当たり前」が「日本の介護の当たり前」に変わることを
心から願わずにはいられなくなる一冊です。

 

 「世界が注目する日本の介護」 講談社 加藤忠相